変異ウイルスの影響は?(Japanese)

変異型ウイルス

山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

PROFILE

HOME
新型コロナウイルスとは
新型コロナウイルスの特徴
ウイルスの変異
世界で急激に広がるオミクロン変異
第5波で猛威を振るったデルタ変異
第4波で猛威を振るったアルファ変異
後遺症
妊婦の新型コロナウイルス感染
従来型ウイルスから日本を守ったファクターX

ワクチンとは
免疫とワクチン
ワクチンの種類
日本の接種状況
副反応の出やすさ、効果との関係
3回目接種の効果
妊娠とワクチン接種
ワクチン副反応時の解熱鎮痛剤
ワクチン接種が拡がった後の対策は?
ワクチンへの信頼度
異なるワクチンの組み合わせ

ファイザー社製ワクチン
ワクチンの有効性は?
ワクチンの安全性は?(アナフィラキシー反応)
ワクチンの安全性は?(発熱等の副反応)
ワクチン接種後の心筋炎
ワクチン接種による発熱時の解熱鎮痛剤
変異ウイルスの影響は?
1回接種の効果は?
授乳とワクチン接種
12から15歳における効果と安全性

モデルナ社製ワクチン
モデルナ社製ワクチンの有効性
モデルナ社製ワクチンの長期効果
モデルナ社製ワクチンの安全性

専門家、識者、書籍から学ぶ
COVID-19 AI・シミュレーションプロジェクト
黒木登志夫先生
古川俊治先生
川村孝先生
京都大学iPS細胞研究所・iPS細胞研究財団

データから学ぶ
Googleによる人流解析
ECMOnet
国や都道府県からの公表データ
各国の比較
Covid耐性ランキング

世界の状況
イギリス
中国
アメリカ合衆国
シンガポール
イスラエル

私たちの取り組み
新型コロナウイルス研究のための回復者・健常者iPS細胞
ウイルスやワクチンに対する免疫反応
検査・疫学調査(京大病院長尾美紀教授)
地球を読む(読売新聞)

動画で学ぶ
ワクチンに関する若い世代の皆様へのメッセージ
尾身先生との対談
YOSHIKIさんとの対談

変異ウイルスの影響は?

HOME
ファイザー社製ワクチン
変異ウイルスの影響は?

変異型ウイルスに対する効果

イギリスから広がったアルファ型変異株(B.1.1.7)ウイルスが日本でも猛威をふるっていますが、幸い、ファイザー社製のmRNAワクチンは、アルファ型変異株に対しても従来型と同程度の高い効果があることが、イギリスやイスラエルから査読後の論文として報告されています。
日本でも拡大が懸念されているインドで最初に広がったデルタ型の変異株ついてはどうでしょうか?
イスラエル保健省は、ワクチン2回接種後の時間経過とともに、感染や発症を抑制する効果が減弱していると7月18日に報告しています(図1)。同国では世界に先駆け、1月からファイザー社製mRNAワクチンの接種を開始し、アルファ変異による感染の収束に成功しました。しかし、6月以降、デルタ変異ウイルスによる感染の再拡大をきたしています。4月に2回目接種を終えた人では、6月18日から7月17日の期間における感染と発症抑制効果は、それぞれ75%と79%でした。しかし、1月に2回目接種を終えた人においては、16%にまで減少しています。しかし、1月に2回目接種した人においても、入院や重症化を抑制する効果は、それぞれ82%と86%と、高い抑制効果が維持されています。今後、客観的な検証が必要です。
一方、イングランド公衆衛生庁は、ファイザー社製のワクチン2回接種は、アルファ型に比べると若干の効果減弱があるが、デルタ型に対しても90%近い発症抑制効果があるという論文を、7月21日にNew England Journal of Medicine誌に発表しました(図2)。これによると、アルファ型に対する効果は約94%、デルタ型に対しては88%の発症抑制効果です。同国ではアストラゼネカ社製のワクチンも広く用いられていますが、2回接種後のアルファ型とデルタ型に対する発症抑制効果は、それぞれ約75%と67%でした。また両ワクチンいずれか1回のみ接種の発症抑制効果は、アルファ型に対しては約49%であったのに対して、デルタ型に対しては約31%と、減弱していました。同庁は6月14日にも査読前のデータを公表しています。これによると、ファイザー社製のワクチンは、デルタ型変異ウイルスによる入院を、2回接種後は96%、1回接種でも94%、減少させたとしています。

ファイザーとバイオンテック社は、3回目接種の臨床試験を行っていることを7月8日に公表しました。3回目を接種することにより、2回目接種後に比べて、中和抗体(ウイルスの感染を抑制する抗体)の値が5~10倍、増強したとしています。今後、速やかに論文として公表するとともに、各国に規制当局にデータを提出するとしています。またワクチン効果の経時的な減弱や、デルタ株のような変異ウイルスの影響から、2回目接種後の6から12カ月後に、3回目接種が必要となる可能性が高いとしています。また同社は、デルタ変異株に対するmRNAワクチンをすでに製造しており、今後、臨床試験を行うとしています。ただし、これらのデータは客観的な検証は受けていません。

他の論文としては、スコットランドにおける実社会での結果がLancet誌に6月14日に報告されました。それによるとファイザー社製ワクチンの2回接種のデルタ型に対する感染予防効果は79%と、アルファ型に対する92%の効果と比べると低いものの、依然として高い効果があることが報告されています。

実験室でのデータとしては6月3日にLancet誌に公開されました。それによると、ファイザー社製のワクチンを2回接種した人における中和抗体(ウイルスの感染を抑える抗体)の量は、従来型のウイルスに比べるとアルファ型に対しては2.6分の1に低下、デルタ型に対しては、5.8分の1になっています。また従来型ウイルスに対しては1回接種でも多くの人で十分な量の中和抗体が出来るが、デルタ型に対しては2回接種が必要なことを示唆しています。

南アフリカから広がったベータ型変異に関しては、5月5日にはカタールから重要な論文が報告されました。
Effectiveness of the BNT162b2 Covid-19 Vaccine against the B.1.1.7 and B.1.351 Variants | NEJM
同国では、イギリス型に加え、南アフリカ型(B.1.351)変異ウイルスも拡大しています。ファイザー社製のmRNAワクチンの効果を調べたところ、イギリス型変異に対しては、他の報告と同様に高い効果(2回目接種2週以降で89.5%)が見られていますが、南アフリカ型に対しては、75%と低下していました。これは後述する試験管内での実験結果と一致しています。一方、重症化を防ぐ効果は、変異の種類に関わらず97.4%と非常に高い効果が報告されています。

査読前のデータとしてはファイザー社からの公表データがあります。
4月1日のプレスリリース
3月11日のプレスリリース
によると、アルファ型やベータ型の変異が蔓延した、イスラエルと南アフリカにおける臨床試験結果の解析から、これらの変異型ウイルスに対しても高い感染予防効果が示されています。またワクチンの効果が、接種後6カ月においても続いているとしています。しかし、ワクチンを開発・販売している企業からの報告であり、他の研究者による検証(査読)は受けていませんので、独立した検証が必要です。

図1 イスラエルにおけるワクチン効果の経時的変化
図2 ファイザー社製およびアストラゼネガ社製ワクチンのアルファおよびデルタ変異ウイルスに対する発症抑制効果

PAGE TOP

ABOUT

PROFILE

QR Code
携帯のバーコードリーダーでQRコードを読み取ることで、携帯版ホームページへアクセスできます。

copyright © 山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信 some rights reserved.